アプリケーションによっては、ピーク信号レベルに関する情報だけで十分です。ピーク検出と呼ばれる信号処理手法では、信号のピーク(またはトラフ)時間/振幅までの収集したすべてのデータを低減できます。このデータだけを捕捉/報告することにより、システム・バス経由で転送する必要のあるデータ量が減少します。

ピークの検出
ピーク解析は、複数のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を使用できるファームウェアを使用して、オンザフライで実行されます。FPGAを使用して、ピーク・フィッティングと呼ばれる高度な信号処理アルゴリズムをデジタイズした波形データで直接実行することにより、振幅と時間の両方の重要なピーク情報を得ることができます。この方法は非常に正確で、オンザフライで実行されるので測定速度が大幅に向上します。

アルゴリズムの理解
9個のサンプルを使用して、サンプルがピークに対応するかどうかを求めます。これには、そのサンプルと両側の4個(すなわち、前後それぞれ4個)のサンプルが含まれます。デジタル信号処理により、9個の解析したサンプルの中で以下の条件が発生した場合に、そのサンプルはピークと見なされます。

  • プログラマブルΔRiseを超えるサンプルの前に立ち上がりエッジがある。
  • プログラマブルΔFallを超えるサンプルの後に立ち下がりエッジがある。
  • そのサンプルが、立ち上がりと立ち下がりの2つのエッジ間にあるすべてのポイントの最大値となります。さらに、立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの間にピークが1つしかないことが確認されます。

この種の信号処理アルゴリズムを使用すれば、サンプリング・レートの半分の周波数までの信号のピークをオンザフライで検出できます。

ピーク補間の使用
測定確度を高めるために、ピーク時間/振幅は補間ルーチンを使用して求められます。補間ルーチンでは、デジタル信号処理により、ピーク近傍の3つのポイントに対して12ビットの2次スプライン・フィッティングが行われます。これにより、測定結果の時間軸と振幅軸の分解能が向上します。特定のアプリケーション要件を満たすために、ソフトウェア・コマンドを使って、分解能の向上(時間/振幅)と信号処理による負担増、メモリ使用量の増加、測定スループットの低下のバランスを取ることができます。