ダイナミック・リアルタイム測定により、さまざまな実験プロセスを拡張することができます。例えば、システム・パラメータの設定、理想条件を満たすまでの高速プロセスのモニタリング、実験データの記録(数秒間、数分間、数時間)などがあります。

これらのアプリケーションで最大のスループットを実現するには、高速ADC(A/Dコンバータ)を使用する必要があります。Keysightのデジタイザは、高速ADCとフラッシュADCを使用して、データ帯域幅を最大化し、高速測定を実現する革新的な手法を実装しています。これらの機能により、粒子/電子ビームの制御やモニタリングなどのアプリケーションや、リアルタイムでのマイクロ波分光分析処理で、優れたスループットを実現しています。

リアルタイム・アプリケーションに最適

大気の研究では、オゾンや二酸化炭素などの分子の回転遷移によって弱い放射線が放出され、スペクトル線が生じます。これらのスペクトル線の形状は大気圧の関数で、調査対象の物質の高度プロファイルを作成することができます。高速ADCをベースにしたリアルタイムFFT分光分析は、観測機器に乗せて空中に運ばれる音響光学型分光計(AOS)に代わる方法です。比較テストでは、Keysightデジタイザ(およびフラッシュADCまたは高速ADC)で構成されたリアルタイム・システムで、同様の結果を得ることができました。また、操作面では次のような利点がありました:広い垂直軸レンジと優れた垂直軸分解能、同等または優れたダイナミック・レンジ、温度/振動に対する高い安定性。

粒子加速器内では、陽子や中性子の「バンチ」が光速に近い速度で移動します。このため、測定速度が極めて重要で、デジタイザの測定間のデッド・タイムが非常に短くなければなりません。これが、最先端の加速器にKeysightのデジタイザが使用されている主な理由の1つです。代表的なモデルは500 Mサンプル/s~8 Gサンプル/sの範囲で、8ビットまたは10ビット分解能(1チャネル/2チャネル/4チャネル)のフラッシュADCまたは高速デジタイザが使用されています。

最先端研究におけるKeysight

Keysightのデジタイザは、世界中のラボで、高性能の実験システムに不可欠なものになっています。Keysightの測定器は、高速測定が欠かせない主に次の2つ分野で使用されています:リアルタイム・アプリケーションと単発/イベント・ベースのアプリケーション。高速ADCとフラッシュADCを備えたKeysightのデジタイザは、システムのモニタ/制御、実験装置間の相互作用データやイベント・データの捕捉に必要な最高の速度と精度を備えています。