ホワイトペーパー
はじめに
第4世代携帯電話システム(LTE/LTE-Advanced)の配備が進む中、早くも第5世代(5G)システムの開発が行われています。5Gモバイルネットワークでは、「あらゆるものが、いつでも、どこでも接続されている」というビジョンが示されています。
5Gシステムの主な特長の1つとして、スモールセルから構成される高度に統合された高密度ネットワークがあり、これにより10Gbps程度のデータレートと1ms以下の遅延に対応できます。多くの研究で、マイクロ波周波数とミリ波周波数(新しい無線:NR)で動作する複数のエアインタフェースが想定されています。5G/NRには、3つの基本的なユースケースがあります。高度モバイルブロードバンド(eMBB)、大容量マシンタイプ通信(mMTC)、超高信頼低遅延通信(URLLC)です。しかし、3GPPのTR22.891で定義されている下位のユースケースも74種類あり、このようなユースケースの多くは直接的であれ間接的であれ次世代モバイルネットワーク(NGMN)と関連しています。
このビジョンを実現するには、テクノロジー、ビジネスモデル、政策の進化と革新を同時に進める必要があります。政策の例として具体的には、最近、アメリカ連邦電波管理委員会(FCC)が、次世代5Gテクノロジー/サービスの開発と配備を促進するために新しいルールを発表しました[1]。このルールによって、28GHz/37GHz/39GHzの周波数バンドと新しい64~71GHzのライセンス不要バンドを使用する新しい""Upper Microwave Flexible Use""というサービスが開始されます。この新しいバンドと既存の57~64GHzのライセンス不要バンドを合わせると、ライセンス不要スペクトラムとして、57~71GHzの14GHzが利用できます。
ライセンス不要スペクトラムがこのように拡大されれば、高いデータスループットが必要な5Gアプリケーションに新しい可能性が生まれます。しかし、ライセンス不要スペクトラムの中でこのような超広帯域(例:5GHzの占有帯域幅)の利点を活用するには、最高のシステム性能を実現できる新しい手法が必要になります。
これらの新しいデザインをテストするには測定技術の進化が必要です。例えば、今日のベクトル信号発生器は、現在、最大2GHzの変調帯域幅しか備えていません。新たなスペクトラムの割り当てによって使用できるようになる広帯域の要件に対応するには、信号を作成する別の手法が必要になります。
デジタルプリディストーション(DPD)は3G/4Gで導入された手法で、パワーアンプ(PA)がピーク信号レベルで動作する際に発生するAM-AM変換およびAM-PM変換を考慮して入力信号を調整し、アンプをより効率の高い動作ポイントで動作させるものです。アンプのAM-AM変換およびAM-PM変換を測定すれば、これらの関数の逆関数を入力波形に適用して、アンプ出力で理想的な波形を実現できます。
対照的に、AM-AMグラフおよびAM-PMグラフからはPAの動作に関する第1近似の解析しかできません。メモリ効果の検討も重要です。一般的にPAのデザイン/シミュレーションに使用される回路モデルではメモリ効果を予測できないので、この問題に対応する唯一の現実的な方法は、PAをテストして、PA通過後のタイムドメイン変調信号を捕捉することです[2]。
確立されている手法では、入力信号を信号帯域幅の3倍~5倍で出力/測定する必要があります。4GPAのテストでは、たとえ最も広い20MHz帯域幅のLTE信号をテストする場合でも、容易にこのようなサンプリングレートに対応できます。しかし、2GHzもの帯域幅をもつ5Gおよび802.11ad信号に4G向けの手法を適用しようとすれば、現在入手可能なほとんどのベクトル信号発生器/ベクトル・シグナル・アナライザでは能力不足です。
この記事では、デジタルテクノロジーと小型ミリ波コンバーターを使用して、2GHzよりも広い8GHzまでの超広帯域ミリ波テスト信号を作成/解析する新しい広帯域ミリ波テストベッドの手法を紹介します。この手法は、非常に広い帯域幅が必要なアプリケーションに対応できる十分な能力があり、しかも、従来のベクトル信号発生器やベクトル・シグナル・アナライザを置き換える必要はありません。
テストベッドを使用して、Vバンド(50~75GHz)およびEバンド(60~90GHz)で最大帯域幅が8GHzのテスト信号を作成/解析します。その後、テストベッド・ソリューション・ソフトウェアにより、Vバンドで動作するSkyworks社のPAでDPDを行います。テストベッドによってシミュレートされたプリディストーションアルゴリズムを使用すれば、隣接チャネルパワー(ACP)およびエラーベクトル振幅(EVM)に改善が見られました。このDPDアプリケーションでは、7.5GHzの帯域幅を利用します。これは、DPDで使用しているQPSK/64QAM波形のシンボルレートである1.5GHzの5倍に相当する帯域幅です。
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