802.11p WAVE(Wireless Access in Vehicular Environments)測定ソリューション | キーサイト
アプリケーションノート
柔軟な高性能ソリューションを使用してコネクテッドカー用の802.11pデバイスのデザインとテストを加速
概要
現在、社会が直面している重大な問題の1つが、自動車の安全性です。世界保健機関(WHO)が発表した統計によると、交通事故による死者数は1日約2,500人、年間で約100万人に上ります。自動車会社も対策の必要性を十分に認識していて、道路の安全性の向上と、道路上での死傷事故発生率の低減のために、新しいテクノロジーを積極的に採用しています。高度な無線通信を使用して、これらの企業は、運転手、乗客、歩行者などのために、自動車の安全性の向上に努めています。同時に、交通管理の改善、エネルギー効率の向上、車載エンターテイメント／情報システムの更新など、さまざまな利点も提供しています。これらの利点はすべて、コネクテッド・カー・テクノロジーにより提供されます。
コネクテッドカーの車車間(V2V)および路車間(V2I)アクセスポイント通信（図1）は、DSRC（Dedicated Short-Range Communication：専用狭域通信）と呼ばれる方式によって可能になります。LTE-V、3GPPRel-14の一部、5Gなどの他の無線テクノロジーも検討されていますが、DSRCは現在、IEEE802.11無線LANフォーマットのバリエーションを使用して実装されています。自動車環境で動作するように修正されたこの無線LANフォーマットは、802.11p規格として知られています。
コネクテッドカーには通常、無線アクセスと無線LANが装備されています。これにより、車内および車外の他のデバイス、さらに他の車両や近くのインフラノードとインターネット経由で通信できます。例えば、コネクテッドカーは、潜在的な危険を早期に警告するために道路や交通状況に関する情報を共有し、さらに、商取引や料金収受に関する情報も共有できます。情報を共有すれば、近くの車は適切な行動をとれるようになります。このアプリケーションノートでは、802.11p規格の詳細と、802.11pデバイスのデザイン、テスト、解析方法について説明します。