アプリケーションノート
はじめに
メーカーに対する品質向上とコスト削減の要求に終わりはありません。スループットを上げれば、テストに使用する機器の数を減らせるので、製造施設のスペースを有効に使用できます。また、ワークフローを改善すれば在庫コストも下がります。キーサイトのアドバンスト・パワー・システムを使用すれば、スループットが向上するだけでなく、被試験デバイスを最高のレベルで保護できます。本書では、テストスループットの向上を実現するための5つのヒントをご紹介します。
目次
1. コマンド処理時間の短縮によるスループットの向上
2. アップ/ダウンプログラミング応答時間の短縮によるスループットの向上
3. 高速な測定システムを備えた電源によるテストスループットの向上
4. 電源のデジタルフィルタリングによるDC測定のセトリングの高速化
5. 内蔵測定機能によるスタンバイ電流およびリーケージ電流測定の高速化
コマンド処理時間の短縮によるスループットの向上
テストスループットの向上の第一歩は、高速な電源を使用することです。電源の速度を左右する最重要パラメータの1つが、コマンド処理速度です。自動制御における電源のほぼすべての動作に影響するからです。コマンド処理時間が短ければ、テスト時間を秒単位で短縮でき、スループットが大幅に向上します。これは特に、出力レベルを変更しながらDUTをテストし、それぞれのレベルに対応する電流/電圧測定値を取得するという、一般的によくあるケースで有効です。エントリーレベルの電源と高性能のシステムDC電源では、コマンド処理時間が数桁程度異なる場合もあります。テストスループットが重要な場合は、コマンド処理が高速な高性能電源を使用してテスト時間を短縮すれば、電源の価格差を容易に回収できます。
電源のコマンド処理時間の例を下の図に示します。コマンド処理時間とは、コマンドが最初に受信されてから、電源がそれに対応する動作を開始するまでの時間です。この例では、電源の出力が変わり始めるまでの時間です。コマンド処理時間は、エントリーレベルの電源では数百ミリ秒、高性能電源では1ミリ秒以下です。
テスト時間に対する電源のコマンド処理時間の影響は、極めて明白です。例えば、DUTを10種類の異なる電圧設定でテストする場合、コマンド処理時間が100ミリ秒の電源から1ミリ秒の電源に切り替えると、テスト時間は2秒近く短縮されます。出力レベルの変更にかかる時間だけでも、高スループットの量産テストではこれだけ大きな時間を短縮できます。他の電源動作についても同様に短縮できるので、全体としてさらに数秒テスト時間を短縮でき、テストスループットが大幅に向上します。
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