アプリケーションノート
はじめに
ハンドヘルドオシロスコープは、持ち運びやすく頑丈な筐体にベンチ用オシロスコープと同等の性能を備えており、マイクロエレクトロニクスの特性評価やプロセス制御のトラブルシューティング、さらに、設備メンテナンス、自動車サービス、産業用オートメーションなどの分野で利用できます。これにより、テスト時間を短縮でき、最終的に最適なシステム性能を実現できます。さらに、コンディションの厳しい危険かつ不安定なフィールドで使用できるテストツールも、ハンドヘルドオシロスコープに統合されています。ただし、その機能や仕様はさまざまなので、選択の際は以下の主要な仕様に基づいて比較する必要があります。
さらに、トラブルシューティングのニーズに最適なハンドヘルドオシロスコープを選択するには、以下の要素も参考になります。
必要な帯域幅は?
すべてのオシロスコープの周波数応答は、図1のように、高い周波数でロールオフするローパス特性を持ちます。一般的に、捕捉できる最高周波数は帯域幅によって決まるとされています。ただし、オシロスコープの帯域幅は、入力信号が3dB減衰する周波数です。この減衰は約-30%の振幅誤差に相当します。したがって、信号の主要な周波数成分がオシロスコープの帯域幅近傍にある場合は、その信号を正確に捕捉できません。
アナログ信号を測定する場合は、帯域幅が測定信号に含まれる正弦波の最高周波数の3倍以上あるオシロスコープをお勧めします。デジタル信号を測定する場合は、帯域幅がデザインの最高クロックレートの5倍以上あるオシロスコープをお勧めします。例えば、デザインの最高デジタル・クロック・レートが40MHzの場合は、帯域幅が200MHz以上のオシロスコープがお勧めです。ただし、この5対1の法則(オシロスコープの帯域幅対クロックレート)は、エッジ速度が比較的高速なクロックレートの低い信号は考慮していません。このような信号には、5次高調波より上にも重要な周波数成分が含まれていることがあります。この場合、オシロスコープを選択する前に、信号に含まれる必要な最高周波数を把握する必要があります。
図2と図3は、2台のオシロスコープで、40MHzデジタルクロック信号の測定を比較したものです。帯域幅は、40MHzと200MHzです。2台のオシロスコープの波形を比較すると、40MHz帯域幅のオシロスコープでは高周波成分が減衰されるため、波形を正確に再現できていないことがわかります。このオシロスコープの帯域幅は、この信号を捕捉するのに十分ではありません。200MHz帯域幅のオシロスコープでは、デジタル信号の細部をより正確に表示/測定できています。
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