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■ 制御ライブラリ

制御ライブラリとは、測定器向けのインターフェース制御部分の関数群(ライブラリ)です。プログラムから測定器と通信を行う際には、制御ライブラリを「ライブラリの参照」で追加し、必要に応じて、関数を呼び出して、通信を行う必要があります。

例えば、VISA-COMには、WriteStringという関数がありますが、これは、これらの物理インターフェースを介して、測定器に文字列を送る役目を持っています。また、ReadStringは、逆に、測定器からの文字列を受信する役目を持っています。文字列以外に数値を受信する場合にはReadNumber、IEEE488.2で規定されているバイナリのブロックデータを受信する場合にはReadIEEEBlockを使う等、その役割に応じた関数が用意されており、それらを必要に応じて使い分け、通信する必要があります。


         図  制御ライブラリのイメージ

これらの関数は、制御ライブラリを参照する事で、ご利用いただく事ができます。制御ライブラリは、測定器メーカー(一部)やGPIBボードのメーカーから、個々の仕様で提供されておりますが、弊社では、主に、SICL、VISA、VISA-COMというライブラリを提供しています。これらは、いずれも、IO Libraries Suiteをインストールしていただくことでお使いいただく事が出来ます。また、これらのライブラリは、測定器制御の際に用いるインターフェース(GPIB、USB、LANなど)の種類とは関係なく、同じ手順で測定器を制御する仕組みを定義しており、例えば、GPIB経由を意図して作成されたプログラムでも、アドレスの変更だけで、LAN経由でのプログラムにすることができます。

なお、ライブラリの詳しい取扱いに関しては、IO Libraries Suiteをインストールして頂いた後に [すべてのプログラム] > [Keysight IO Libraries Suite] > [Documentation]
にあるHelpをご参照ください。 

■ VISA、VISA-COM

今後、プログラムを開発する際には、以下の点から、VISA、VISA-COMのご利用をお勧めします。

- 測定器業界の共通規格である
VISAとは、Virtual Instrument Software Architectureの略で、IVI Foundationで制定された測定器制御のためのライブラリです。VISAは、日本、世界問わず、測定器業界での共通規格であり、Keysight以外にも、ナショナルインスツルメンツ、テクロトニクス、菊水電子工業など、複数の測定器メーカーから供給されています。

- インターフェースに依存しない。例えば、GPIBで作っても、LAN、USBへ変更可能!
大きな特徴の一つは、VISA、VISA-COMでは、制御インターフェース(GPIB、RS-232、USB、LANなど)に関係なく、全く同じプログラミング手法で、インターフェースへのアクセスを可能としている点です。例えば、測定器が、GPIB、USB、LANの3つのインターフェースをサポートしている場合、GPIBボードをベースに作成された制御プログラムであっても、測定器アドレス(測定器に割り当てられた固有のアドレス。VISA、VISA-COMを使う際は、VISAアドレスとなります※)の変更だけで、USBやLAN経由での制御プログラムとしても、お使いになる事ができます。
※ VISAアドレスは、Keysight Connection Expertで確認できます。
これは、非常に大きな利点です。昨今は、USB、LAN端子が付いている測定器は増えつつありますが、依然として、GPIB端子だけの測定器も多いです。例えば、GPIBで測定器のプログラムを作成した後、その測定器の後継機種として、USB、LAN端子が付属したものが出た場合、VISA、VISA-COM以外の制御ライブラリを使ったプログラムの場合、制御ライブラリから書き換えねばなりません。しかし、VISA、VISA-COMで記載したプログラムであれば、SCPIコマンド(測定器へ送る命令)の簡単な見直し(=使っている機種と後継機種とのコマンドの差分を確認する)と、測定器アドレスの変更のみで、すぐに対応する事ができます。将来的なプログラム活用を考えた場合、VISA-COMで記述する事をお勧めします。
GPIBボードによっては、GPIBだけをサポートしているライブラリを付属させているものがあります。この場合は、LANやUSBへの変更ができないため、GPIBボードを購入する際には、「VISA、VISA-COMをサポートしているか?」という部分に、ご注目を頂くと良いでしょう。

- 供給メーカーに依存しない。
VISA、VISA-COMを供給するメーカーにも依らない所も特徴の一つです。KeysightのVISA、VISA-COMを呼び出すプログラムは、簡単な変更、もしくは、変更なしで、他メーカーのVISA、VISA-COMを呼び出す事が可能です。例えば、ナショナルインスツルメンツ社のGPIBボードを使って作成されたプログラムであっても、VISA、VISA-COMでプログラムが作成されていれば、同じくVISA、VISA-COMをサポートしているKeysight社のGPIBボードを、プログラムソースの変更なしで、お使いいただく事ができます。しかし、VISA、VISA-COMをサポートしていないメーカーのGPIBボードには替える事ができません。そのため、GPIBボードを購入する際には、「VISA、VISA-COMをサポートしているか?」という部分に、ご注目を頂くと良いでしょう。
※ VISA-COMとは、VISA 規格を同様に実装したものです。プログラミングには COM テクノロジーが用いられています。

どのライブラリを使うか、制約やこだわりが無い場合には、VISA-COMでのご利用を強くお勧めします。

■ SICL

SICL (標準測定器制御ライブラリ) は、Keysight 独自の制御ライブラリです。SICL は、C および C++ で使用できるように最適化されているので、任意の Windows DLL を呼び出すことができる Visual Basic やその他の環境でも使用できます。SICL は、GPIB、USB、LAN、USB、VXI メッセージ・ベース、VXI レジスタ・ベースの製品へのアクセスを可能にします。ただし、SICLは、VISAのような共通規格のライブラリではないために、「供給メーカーに依存しない」などの利点が得られません。そのため、今後、新規でプログラムを構築、開発なされる際は、SICL ではなく、VISA COM を使用することをお勧めします。

■ まとめ

  • VISA、VISA-COMは、測定器業界での共通規格である。
  • 他メーカーのVISA、VISA-COMを使う際も、簡単な変更もしくは変更なしで使う事ができる。
  • VISA、VISA-COMは、物理インターフェース(USB、LAN、GPIB)が変わっても、測定器のアドレス指定を変更するだけで、同じプログラムで制御することができる。

 

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