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ここでは、オシロスコープやデジタル・マルチメーターなどの測定器を、プログラムから自動で制御するメリットについて、もう少し、深く考えてみたいと思います。

主に、自動計測のメリットとしては、以下があります。

  • 多くの測定器を、一度に、同時に制御可能
  • 測定時間、工数の削減
  • 測定の高い再現性
  • 離れた場所からの操作

■ 多くの測定器を、一度に、同時に、制御可能に

まず、わかりやすい所では、複数の測定器を、「一度に」、「同時に」制御できるようになる事が挙げられます。これは、人間の手作業では、難しい領域です。

下記は、DC-DCコンバーターの各種パラメーターを測定する場合の接続例です。この時、DC電源、電子負荷、オシロスコープは、タイミングを合わせて制御する必要があります。ただ、手作業では、これらの制御は難しいです。実際には、プログラムでコントロールします。このように、測定器を、一度に、同時に制御する場合に、自動制御のメリットが発揮されます。

■ 測定時間、測定工数の削減

もう一つ、多くの方がメリットを享受できることとして、「測定時間、工数の削減」があります。
例えば、DC-DCコンバーターの1次側に加える電圧をステップで変化させた場合の2次側の出力変化を電圧計で測定していくとします。

『測定時間の削減』

この場合、手作業であれば、行う行為は、
  (1) 電源の電圧をノブで回すか、値を数値で打ち込み、電圧を変更させる
  (2) 電圧計の値を読み取り、メモ用紙に記録する
を繰り返す事となります。
手作業で、(1)、(2)の行為を行うと、ある程度の時間が掛かります。慣れれば、短縮する事が出来ると思いますが、それでも、ある程度の時間が掛かります。

これを自動計測で行った場合、電源の電圧は、設定電圧のデータを送るだけ済み、瞬時に設定できます。更に、電圧計から読み取る、記録するというという行為も、電圧データを読み取り、プログラム内に記録しておくということですので、これも瞬時に行えます。測定に関わる個々の作業時間が、圧倒的に短縮されることが分ります。

『測定工数の削減』

更に、(1)、(2)、(3)の一連の作業すべてを自動化できれば、人が測定する工数が無くなります。今回は、電圧を変化させるだけの試験ですが、測定に長い時間が掛かる場合や、測定パラメーターが、いくつもある場合など、特に威力を発揮します。例えば、深夜に測定を仕掛けておけば、自動で測定が実施され、朝には、測定値を利用できます。

また、自動制御プログラム内で、測定値を、後で利用しやすいように保存や加工をしていけば(演算、リスト化、グラフ化など)、測定終了後に、測定値を整理・処理する作業も低減できます。更に、測定レポートの作成(試料番号、測定日時、測定値、グラフをまとめたレポート)や、データベースへの値の保存を自動で行うようにプログラムを構築すれば、殆ど、測定終了後にやる事はなくなります。


測定レポートの例(市販品:USBコンプライアンステストソフト)

■ 測定の高い再現性

測定の高い再現性を期待できることも、自動制御のメリットの一つです。
例えば、フラフラとふらつく測定値を読む場合、読む人によって、高い測定値を読んだり、低い測定値を読んだりしてしまいます。例えば、信号を印加し、その際の測定値を読む場合、信号を印加する時間によっては、測定値が変わってしまうこともあります。

このような場合、測定値にばらつきが出てしまい、再現性の低いデータとなってしまいます。しかし、これを、信号を印加してから、1秒後のタイミングで、10ポイントが測定を行い、その平均を測定値として採用するというプログラムを作り、自動化すれば、測定のばらつきは低減され、高い再現性をもたらします。高い再現性のない測定は、データとして信頼できず、ばらつきのある測定は、品質のばらつきに直結します。

■ 遠隔からの制御(遠隔制御)

昨今、制御インターフェースとして、LANインターフェースが標準で装備される測定器が増えてきました。LANインターフェースがない測定器用にも、GPIBをLANに変換するコンバーターが登場し、LANを使った自動制御が行える環境になっています。

LANを自動制御で用いる際の大きなメリットは、「遠隔からの制御」が可能になることです。例えば、研究室の恒温槽の中に、測定器と測定対象物を入れておき、測定器をLANインターフェースで自動制御すれば、離れた場所より、測定値をモニタすることもできます。また、更に、インターネット回線を経由すれば、例えば、北海道や沖縄などに備えられた測定器の測定値を、インターネット環境を通じて、東京の制御コンピュータから読み取るというシステムを構築することも可能です。

すごく難しいように感じますが、実は、自動制御のためのプログラムは、すぐ近くにある測定器を制御するものと、全く同じです。LANによって、遠隔地からの制御が可能になっています。

このように自動制御は、測定作業を効率化するだけではなく、測定値の再現性を高めることや、利便性を高めることにも大きく寄与することができます。

 

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