IFチャープ高速掃引手法によるスプリアスエミッション測定の高速化 | キーサイト

アプリケーションノート

はじめに

測定速度は、商用無線から航空宇宙/防衛まで、さまざまなRF/マイクロ波製品に共通の課題で、あらゆる業界の生産コストに影響を与えます。このためメーカーは、測定速度を改善する方法を模索しています。改善しなければならない重要な問題の1つに、スプリアスエミッションのサーチがあります。

スプリアスエミッションのサーチは、広い周波数範囲にわたって高い感度で測定する必要があるため、非常に困難で時間がかかります。スプリアスエミッション測定は高調波測定とは異なり、事前に正確な存在範囲がわからないため、ほとんどの場合、分解能帯域幅を狭めて広い周波数スパンを掃引するしかありません。さらに、スプリアスエミッションの振幅が測定ノイズフロアと近接している場合も珍しくなく、このような場合は測定確度と再現性に問題が生じます。

このような測定に最も広く使用されている機器は、RF/マイクロ波スペクトラム・アナライザやシグナル・アナライザです。最近は、アナライザのテクノロジーが進化し、高速スプリアス測定ができるようになりました。例えば、高速AD変換(ADC)とデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)により、アナログテクノロジーがデジタル中間周波数(IF)セクションとデジタル分解能帯域幅(RBW)フィルターに置き換えられています。

デジタルフィルターは、特に、スプリアス測定のように狭いRBWで広いスパンを掃引する場合に優れています。例えば、現在のデジタルフィルターのシェープファクターは非常に優れているため、同等のアナログフィルターよりも数倍も高速に掃引しながら高い確度を維持できます。この手法をオーバースイープと呼びます。

Keysight Xシリーズシグナル・アナライザには新しいIFチャープ掃引と呼ばれるデジタル信号処理テクノロジーが採用され、最先端の信号処理により掃引速度が大幅に向上しています1。この新しいフィルターにより掃引速度は最大50倍(オプションFS2を搭載した場合は最大400倍)も高速になっていますが、振幅/周波数の確度が悪くなることはありません2。このアプリケーションノートでは、この新しい手法に焦点を当て、これを用いたスプリアス測定をご紹介します。