EMProのユーザ

ICパッケージのデザイナ

RFIC、モノリシック・マイクロ波集積回路 (MMIC)、高速IC、システム・イン・パッケージ (SIP) は、ワイヤボンドやはんだ屑/隆起などのパッケージングの影響を直接受けます。デザイナは従来、個別の3次元電磁界ツールでパッケージをドローイング/解析して、その結果をIC/SIP回路設計環境に苦労してインポートして解析する必要がありました。EMProを用いれば、Advanced Design System (ADS) の2次元回路レイアウトと結合可能な3次元パッケージ・ストラクチャを効率的に作成できます。このため、簡素化されたデザイン・フローで、回路シミュレーションと3次元電磁界シミュレーションを使用した、IC、パッケージ、ラミネート、モジュールの協調設計が可能です。Keysightのソリューションの概要については、  MMIC のデザインおよびRF システム・イン・パッケージ/RF モジュールのデザイン(RF/マイクロ波)を参照してください。

多層RFモジュールのデザイナ

RFモジュールは通常、多層セラミックまたはラミネート誘電材料で作成され、層間にはRFパッシブ・コンポーネントが埋め込まれています。無限誘電体レイヤと仮定してエッジ近似フリンジングを考慮しないプレーナ電磁界シミュレータでは、こうした誘電体ブリック・ストラクチャの計算を正確に行うことはできません。埋め込みRFコンポーネントはRF回路レイアウト・マクロによりドローイングされるため、スタンドアロン型の3次元電磁界ツールで再現するには非常に時間がかかります。回路デザイン・フロー内に統合されたフル3次元電磁界シミュレーションは、こうしたアプリケーションに最適なソリューションです。Keysightのソリューションの概要については、  RFシステム・イン・パッケージ/RFモジュールのデザインを参照してください。

RF/マイクロ波コンポーネントのデザイナ

RFボードのデザインには、高い周波数まで特性を評価する必要がある3次元コンポーネントやコネクタが含まれます。他のCADツールで作成されたコンポーネントやコネクタのデザインをEMProにインポートして、FEMまたはFDTDシミュレーション・テクノロジーを使用してシミュレートすることができます。共振子などの高周波コンポーネントは、周囲のプリント基板のトレースやビアとの相互作用の影響を受けやすくなっています。こうした3次元コンポーネントをEMProで作成/シミュレートして、ADSのボード・レイアウトと結合することにより、FEMテクノロジーを使用した正確な3次元電磁界シミュレーションを実現できます。Keysightのソリューションの概要については、  RF/マイクロ波ボード・デザインを参照してください。

航空宇宙/防衛業界のエンジニア

FDTDシミュレーションは非常に高能力で、代表的な航空宇宙/防衛アプリケーションに見られる大きな問題に対応しています。 例えば、FDTDを使用して、航空機搭載アンテナの配置を最適化したり、レーダ断面を解析することができます。また、整合回路のデザインを最適化するために、アンテナのデザインをEMProからADSにエクスポートすることも可能です。ADSでは、リンク・バジェット解析やその他のシステム・シミュレーションを実行することができます。EMProのFEMシミュレーション・テクノロジーを使用すれば、航空宇宙/防衛システムに広く用いられているRFコンポーネントやICパッケージをシミュレートできます。Keysightのソリューションの概要については、  航空宇宙/防衛を参照してください。

高速コネクタのデザイナ

SATAやHDMIなどの高速コネクタ・タイプは、Gビット/sのデータ・スループットに対応するようになりました。高周波Sパラメータ・モデルのコネクタをEMProで作成して、FEMとFDTDの両方のシミュレータで相互検証することができるので、3次元電磁界シミュレーションの精度の信頼性が2倍に向上します。これらのモデルは、ADSにコネクタ・ライブラリとして配布/インストール可能なADSデザイン・キットに組み込んで、高速シリアル・チャネルのシグナル・インテグリティ解析やデザインに使用することができます。Keysightのソリューションの概要については、  シグナル・インテグリティ解析を参照してください。

アンテナのデザイナ

携帯電話/ネットワーク製品の開発において極めて重要なデザイン・タスクは、アンテナの大きさを最小限に抑えながら、アンテナの性能を最大限に高めることです。EMProは、電話の部品、筐体、さらには人間の手や頭を含め、現実的な環境でアンテナをシミュレートすることができます。SAR(比吸収率)やHAC(補聴器互換性)などのコンプライアンス・テストを実行することもできます。Keysightのソリューションの概要については、  無線ネットワーク・カード・アンテナのデザインを参照してください。