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デバイスモデリング・フロー
下の図1に示されているダイアグラムは、デバイス・モデリング・エンジニアの作業の代表的なフローです。デバイス・モデリング・エンジニアは、トランジスタやパッシブ・デバイス(インダクタ、抵抗)など、1つのデバイスを容易にプロービングできる専用のオンウェーハ・レイアウトを使用します。これらのレイアウトは、測定の種類(DC、CV、RF、ノイズ)とプロービング手法(RFプローブまたはプローブ・カード)に依存します。

図1. デバイス・モデリング・エンジニアの作業の代表的なフロー
モデリング・フローの最初のステップで、データの測定と解析を行います。デバイス・モデリング測定に使用する代表的なダイを選択する手順は、プロセスの開発ステージによって異なります。マチュアなプロセスの場合は、一般にインライン・ファブから得られたプロセス制御測定(PCM)データをリファレンスとして使用し、代表的ダイまたはゴールデン・ダイ(Golden Die)を決定します。これが、プロセスの統計的な仕様の代表値に最も近いと予測されるデバイスを持つダイです。デバイス・モデリング・エンジニアが、1つのウェーハ、あるいは、多くのウェーハでPCM測定を実行して代表的なダイを決定する場合もあります。ダイと対応デバイス・セットを統計解析によって確認してから、3つ以上の温度で包括的に正確な測定を行います。これらの測定データは、後でデバイス・モデルの抽出に使用します。通常、リング・オシレータ、ロード・プル、利得圧縮、相互変調などのその他の測定も行い、DCやSパラメータのリニア・データから抽出されたモデルが、最終的なアプリケーション(デジタル処理用のデジタル回路、RF処理用のアンプやミキサなど)に最も近い条件で正確かどうかを確認します。測定の問題とソリューションについて、詳細は、デバイスの特性評価とデータ解析をご参照ください。
モデル抽出手法は、テクノロジーやデバイス・モデルによって異なります。一般に、モデル・シミュレーション・データを測定データに適合させるためのツール・セットや手法はデバイス・モデリング・ソフトウェアに内蔵されており、これを使用してモデル・パラメータを抽出します。これらのツールは、高度なグラフィック表示、回路シミュレーションへのリンク、最適化機能や手動チューナを備えています。特にRFモデリングの場合は、Sパラメータから寄生効果をディエンベディングするためにカスタム・プログラミングが必要になる場合があります。ほとんどのコンパクト・モデルでは、印加された電圧と温度に対して電流/電荷がどのように変化するのか、数式を用いて表しています。これらの式には、BJTやCMOSモデルのように物理学に基づいたものと、化合物半導体FETモデルのように経験に基づいたものがあります。モデリングで難しいのは、再現性と信頼性の高い手順でモデル・パラメータを抽出し、数学モデル(シミュレーションなど)を測定データに適合させることです。モデルの制限に突き当り、必要な精度を得るために既存のモデルを修正しなければならない場合もあります。モデリングについての詳細は、RF化合物半導体モデリングに移動し、高度なシリコン・モデリングのページをご覧ください。
モデル検証は、内部/外部の顧客がモデリング・ライブラリを組み込む前にその品質を確認する重要な作業で、モデリング・チームが行います。モデル検証では測定データと比較して精度を確認しますが、これとは別に、信頼性を確認するために、バイアス、形状、周波数の条件を拡張しならシミュレーションを実行してモデルをテストする必要があります。この作業を手動で行おうとすると非常に時間を要しますが、専用のソフトウェアで自動化が可能で、徹底的なシミュレーション・テストの実行により問題が自動的に検出/報告されます。
この後、デバイス・モデリング・ライブラリとレイアウト/デザインのルールが共に、プロセス・デザイン・キット(PDK)に統合されます。PDKは、通常、Advanced Design System(ADS)のデザイン・キットやCadence(Spectre)のPDKなどの回路シミュレータ・フローごとに異なります。PDKの検証は困難で時間がかかる作業です。シミュレータ・ソフトウェアの新しいバージョンがリリースされるたびに、あるいは、デザイン・キットがアップデートされるたびに、新旧のシミュレーション結果を比較して、さまざまなデザイン・サンプルを再検証しなければならないからです。