ホワイトペーパー
はじめに
Keysight BenchVueソフトウェアにより、複数のデジタルマルメータ(DMM)を簡単に制御することができ、通常DMMなどの測定器を使用するためにかかる習得時間を短縮できます。本ソフトウェアアプリケーションは、キーサイトのベンチトップDMM(34450A、34460A、34461A、34465A、34470A)をサポートしています。このアプリケーションを使用すれば、短時間でDMMの使用方法やトラブルシューティングに関する知識を習得でき、より長い時間を実作業に充てることができます。
本技術記事では、BenchVueソフトウェアで複数の信号を同時に取得して受信したデータを迅速に理解する方法を紹介します。また、測定をただちに同期させる方法、測定値のグラフ化、さまざまなフォーマットでデータをエクスポートする方法についても紹介します。最初に、BenchVueソフトウェアでDMMとの通信の設定がどれだけ簡単になるのか説明します。次に、このアプリケーションによってデータをよりよく理解する方法を説明します。最後に、2つのDMMを使用して、デバイスの電圧/電流ドレインを同時に測定する方法の例を紹介します。
事例
あるIC検証エンジニアは、リニアレギュレーターの設計で特性評価を行う必要がありました。評価は、出力電圧範囲1~3.3V、出力電流150mAでレギュレーターを測定して行いました。最初に、負荷条件を変化させながら、一定の電圧(±0.5%)を維持できることを確認するために、テスト用のハードウェアをセットアップした後、V/Iデータを記録する必要が生じました。エンジニアはプログラムは不得意でしたが、Keysight DMMの扱いには精通していました。彼は、Keysight BenchVueソフトウェアの存在を知り、複数の測定を同時にモニターすることができる機能を知りました。このソフトウェアを使用すると、ひとつのDMMで出力電圧を測定し、もうひとつのDMMで負荷電流を測定する際、それらを同時に記録できるようになりました。その結果、プログラムを作成せずにV/I曲線の特性評価を行って、ICの不具合(60秒ごとに500msのレギュレーション異常)を発見できました。彼はBenchVueソフトウェアで得られたグラフデータを設計チームに持ち帰り、チームもその不具合を調査することに同意しました。
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