W1461 SystemVue Comms Architectは、通信システムや航空宇宙/防衛システムの物理層を検討する際に、システム設計者やアルゴリズム開発者の設計および検証の手間を劇的に削減します。
SystemVueは、スケマティックベースの見やすい環境と、多様な形式を表現できるモデル、独自のシミュレーションテクノロジーの組み合わせにより、信号処理のみならず、RF特性まで取り込める、高度なエレクトロニック・システム・レベル(ESL)デザインフローを実現します。SystemVueを使用すれば、アルゴリズムや信号処理アーキテクチャーを迅速に解析、作成できます。さらに、プロトタイプの作成、検証、再利用が数式レベルから実際のテスト機器に至るまで迅速に実現できます。このため、航空宇宙/防衛および商用無線のシステム設計者は、物理層の概念から実証済みのデザインへの移行をこれまでよりもはるかに短時間かつ高い信頼性で実現できます。
SystemVueのコア環境はオプション機能を追加可能です。これらを追加することで、アプリケーションに則したRFや信号処理のニーズに対応可能になります。
W1461 SystemVue Comms Architectは、SystemVue製品ファミリーのベースとなるモジュールです。この環境に他のモジュールを個別に追加することも、RF、FPGA、エンタープライズのニーズに適合するアプリケーション専用のバンドルを利用することもできます。
図1. SystemVueは、ベースバンドモデリング、RF特性、各アプリケーションのリファレンスIP、測定器との連携を、ひとつの環境に統合できます
W1461 SystemVue Comms Architect コアプラットフォーム
The W1461 SystemVue Comms Architect コアプラットフォームには以下のものが含まれています。
コア環境
- さまざまなデザイン入力により、モデルベースのデザインフロー(GUIブロック、言語ベースのC++、SystemC、MATLABまたはVHDL、Verilog)をサポート
- さまざまなフォーマットの既存のIPを1つのフローに容易に統合でき、複数のツールやドメインでの行単位のデバッグが可能
- スクリプトの作成、グラフ、ファイルI/Oにより、検証作業を簡素化
- RF設計、ベースバンド設計など複数グループでの利用を考慮した価格とライセンス構成
カスタムC++モデル開発用インタフェース
- C++、SystemCでの浮動小数点/固定小数点モデルの作成
- 使い慣れたMicrosoft® Visual C++ 2013インタフェースを使用して、モデルのデバッグが可能
MATLABスクリプトモデリング機能/デバッガー
高性能データフロー・シミュレーション・エンジン
- 複雑なRFエンベロープ信号の影響を考慮した解析が可能な、Timed Synchronousデータフロー、Dynamicデータフロー解析エンジン
- マルチレート機能を備えた高度なスケジューラにより、別々のFormatの取り込みなど、複雑なトポロジーでの解析が可能
- マルチスレッドにより、マルチコアCPUでの高速シミュレーションが可能
- オプションのW1711およびW1712モジュールでは、Linuxコンピュータークラスターでのリモートシミュレーションと分散コンピューティングをサポート
- MATLAB、Aldec Riviera-PRO、Mentor Questa、SystemCなど、外部アプリケーションとのコ・シミュレーション
- 最適化/モンテカルロ/統計シミュレーションモード
さまざまなブロックセットによる、物理層効果のモデル化
- コア環境にRF、信号処理、ソース/レシーバなど通信用の約300種類のシミュレーションブロックが付属
- 位相雑音、Sパラメータ、ゼロIF DCオフセット、周波数依存性などのアナログ的な影響を考慮
オプションの機能のW1719の追加により、Xパラメータ*およびGoldenGate「First-Envelope」モデルも取り込み可能
- カスタムOFDM、Zigbeeなど約40種類のデジタル変調方式の信号生成用のブロックセットとリファレンスソースがコア環境に付属
測定/ハードウェア検証へのリンク
- TCP/IP経由で、SCPIないしIVIコマンドに対応した測定器を、ブロックセットにあるいはコマンドラインで制御。(下の図3を参照)
- 下記のキーサイト製測定器を制御可能:
- AWG(任意波形発生器):M8190A、M8195A、81180A、M9330A、N6030A、N8241A
- RF信号源:MXGファミリー(N5182B)、ESGファミリー(E443xCシリーズ)、PXIモジュールのM9381A
- デジタイザ、シグナルアナライザ(89600が必要):M9703A、N9040B UXA、N9030A PXA、N9020A MXA、PXIモジュールのM9391、M9393A
- コア環境に含まれるWaveform Sequence Composer機能により、M8190A AWGおよびM9381A VSGの波形セグメントメモリを制御可能。また、M8190Aのデジタルアップコンバータ(DUC)オプションをサポート
- アルゴリズム開発から測定器によるテストに移行する際に、検証セットアップ、スクリプト、テストベクター、無線IPを再利用可能
- コア環境は、FlexDCA、89600 VSA、I/Oライブラリ、Command Expert、Signal Studioなどのソフトウェアアプリケーションとの連携をサポート
デジタル・フィルター・シンセシス
- 浮動小数点/固定小数点FIRフィルターの最適化及びインプリメント
- FIR、IIR、及びアナログフィルターブロックを提供
- システムレベルのブロックからワンクリックでフィルタを合成
図2. W1461BP SystemVueコア環境は、システムレベルのモデリングやテスト機器へのリンクを提供します。コア環境には、3種類のデザイン・フロー・オプション(C++、HDL、RFシステム)および13種類のベースバンド・リファレンス・ライブラリを追加でき、最新のアプリケーションや無線規格にも対応可能です
図3. SystemVueが提供する環境では、無駄なインプリメントやコーディング、測定器接続の手間に煩わされること無く、通信物理層(PHY)アーキテクチャーのモデリングや検証に注力できます。モデルベースデザインの世界をベースバンド信号処理のみならず、RFブロックや測定にも展開可能です。
構成:
W1461 SystemVue Comms Architectはベース環境であり、以下のすべてのバンドルに含まれています。
さらに、Keysight N6171A MATLABソフトウェア 構成は、任意のSystemVue環境で使用することも可能です。
SystemVueのすべての構成を見るには、 SystemVueの製品構造とオプションのまとめを参照してください。