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技術記事: 5Gの現状

5G Whilte Paper ImageLTE/LTE-Advanced(第4世代携帯電話システム)の配備が進む中、早くも作業は次世代の5Gに取り掛かっています。この記事では、移動電話および固定電話の通信システムの継続的な開発の必要性について述べ、5Gの理論から実用化までの移行に関わる団体と今起こっていることの背景をご説明します。

現状

誰もが移動機を使用して作業や再生をどこでもできるとしたら、スマートフォンのような小型デバイスまたはホールのスクリーンのような大型デバイスで、ストリーミング・サービスやすべての独自「情報」に瞬時にアクセスしたいと思うでしょう。情報が画面の大きさに合わせて適切に表示されることも、当然、求められます。 私たちの社会は既に年中無休でネットワークによって結ばれています。友達、同僚、顧客がどこにいようと、さまざまな種類の情報(写真、ビデオ、データなど)の共有が望まれます。

この手段で、不要なソフトウェア・アプリケーションの購入は望まれません。かわりに、データ処理に必要なアプリケーションを必要な期間だけ借りることが望まれます。これは、単なるクラウド・ストレージではなく、真の「クラウド・コンピューティング」構想で、その実態はほぼ全面的に高速接続に依存しています。

こうした高速接続の必要性は、第5世代(5G)の5Gネットワークを見据えた場合の共通テーマです。 すべての「情報」に年中無休でアクセスして、これを共有できるようにするには、現在の路線を継続しながら、単なる音声/データ・サービスの域をはるかに越えて、将来的に「あらゆるものが、いつでも、どこでも接続されている」という状態に移行する必要があります。

単なる音声の域を越えたサービス

ネットワーク・プロバイダは、20世紀の大半にわたって、デンマークの数学者でエンジニアでもあるA.K. Erlang氏(1878~1929年)の研究をネットワーク・プラニングの基礎として使用してきました。 主要なテーマは、固定電話回線通信網で同時に対応しなければならないユーザ数を予想することでした。 ネットワークが主に音声電話に使用されている間は、モバイル・ネットワークにも同じ大まかな原則が適用されていましたが、より多くのユーザ数が予想され、セル容量を上回る可能性がある地理的な「ホットスポット」が現れ、より小さなセル・サイズを使用できる柔軟性が追加されました。

今日では、固定電話網とモバイル・ネットワークの両方でデータ・サービスのプロビジョニングと利用が増加し、接続されているデバイスも急増し続けているため、ネットワーク・プロビジョニングに関する規則を書き直す必要があります。 データ・サービスは本質的に不連続です。サービスの提供方法を回線交換からパケット通信へと移行すれば、データの振り分けに関するオーバヘッドはますます複雑になりますが、より多くのユーザが同じリソースを共有できます。固定電話網のインフラストラクチャは銅線から光ファイバへと移行していて、事実上、容量に限界はないので、このパケット配信のオーバヘッドは問題になりません。

個々の加入者に対して、一般向けの3つの主な配信メカニズムが登場しています:既存のケーブルTVのインフラを使用するData Over Cable Service Infrastructure Specifications(DOCSIS)モデム、固定電話網を使用するAsynchronous Digital Subscriber Line(ADSL)モデム、セル容量が増大した第3および第4世代のセルラ・ネットワーク(別名「モバイル・ブロードバンド」)です。

モバイル・ネットワークの技術仕様とシステム仕様の継続的な向上により、セル容量が拡大し、シングル・ユーザのデータ・レートが向上しています。演算能力の向上によってデータ・レートが高速化しています。また、特にデジタル・レシーバの分野におけるコンポーネントの向上によって、変調が高密度化されています。最新のモバイル・ネットワーク仕様の更新に伴って、EPC(Evolved Packet Core)への移行が同時に進んでいます。EPCは、データ・スループットの向上と遅延の短縮を実現し、モバイル・ネットワークのエア・インタフェース部をネットワークのバックホールと固定電話網のアーキテクチャに適合させることを目的として設計された簡素化されたオールパケット・ネットワーク・アーキテクチャです。固定電話網でファイバ・ケーブルをローカル局まで延長すれば、データ集約型サービスの速度が向上します。ファイバ・ツー・ザ・カーブ(「ファイバ・ツー・ザ・キャビネット」とも呼ばれる)だけでなく、ファイバ・ツー・ザ・ホームでも高解像度ビデオ・ストリーミングなどのサービスに必要な高速ブロードバンド接続を提供しており、もはや銅線は「ラスト・マイル」媒体ではなく、「ラスト・ヤード」媒体になっています。

こうした機能の強化によって、モバイル・ネットワーク・プロバイダには、「ニワトリが先か卵が先か」という難問が生じています。配信できるデータ容量が大きくなればなるほど、スマートフォンやタブレット向けの開発アプリケーションが複雑になり、消費データ量が増加し、エンドユーザの要求もますます複雑になります。中でも最も新しい要求が「シームレスな接続」で、デバイス間で(例えば、タブレットからスマートフォン、さらにホーム・エンターテイメント・センタに)、コンテンツを中断せずにアプリケーションを移動できることが求められています。この機能を実現するには、異なるネットワーク(WiFiホットスポット、携帯電話、固定電話回線)を介してコンテンツにアクセスし、これを制御する必要があります。(高度な技術の課題の他に、過剰なローミング契約を請求しなければならない問題もあります。)

今後の課題

上記のすべてを踏まえた上で、考慮すべき確実なことが1つあります。無線スペクトラムは制限されているということです。これは、長期的には、移動が必須の接続だけを無線にするという意味に他なりません。できるだけ多くのサービスを、利用地点の最寄りまで、固定(ファイバ)回線で提供する必要があります。インターネット経由で提供されているテレビ/ラジオ・サービスは既に増加しており、地上波放送/衛星放送以上にプログラムや利用時間の選択肢が増えています。さらに、モバイル・ネットワークでは、今日のWiFiオフロードが将来の標準に向けた第1歩となっており、提供できる最高のサービスをモバイル・ユーザが受けられるようにセルラ・システムを解放しています。

移動体通信の世界では、基本的に次の3つの変化によって容量が増加します。スペクトラム数の増加、効率の向上、セルの小型化による周波数再利用率の向上です。現在構築が進められている第4世代のネットワークでは、使用できる周波数バンドが前世代よりも増えているため、より広いチャネル帯域幅を使用できます。シグナリングでもネットワーク容量が消費(制限)されるため、EPCの策定作業では、無線ネットワークにおけるパケット配信のオーバヘッドを重く見て制限しようとしています。しかし、モバイル・データ消費量は現時点で今後5年間に対前年比でほぼ2倍になると予測されているため、ネットワーク・プロバイダは、スペクトラム数を増やさずに長期的な需要に対応することに懸命に努力することになるでしょう。現在、他のシステムに利用されている周波数バンドを開放することが最優先となります。

第5世代のモバイル・ネットワーク"5G"に関する研究では、「あらゆるものが、いつでも、どこでも接続されている」という2020年の展望が示されています。デバイスは数百MHzから、場合によっては80 GHzの周波数で動作することが前提です。屋内のセル・サイズはシングル・ルームほど小さくなる可能性があります。RFにおける周波数を最大限に再利用するために、ピコセルとフェムトセルを採用しています。ITUによる4Gの定義では、シングル・ユーザのデータ・レートとして1 Gbpsを見込んでいます。5Gの最終段階で必ずしもこれを上回る必要はありませんが、はるかに膨大なユーザ・コミュニティに対してこのレートで配信できる大容量ネットワークを備える必要があり、より多くのユーザに同時に対応できる高密度のアグレゲーション機能が必要になります。あらゆるものを結びつけるコア・ネットワークを詳細に取り上げている研究はまったくありませんが、前述のようなシームレスな接続が得られることを前提としています。

新しい移動機に対応するために必要なバッテリ・テクノロジーの進歩に重点を置いている研究もあり、その対象は、バッテリ寿命が数年の簡易センサから、常時接続スマートフォン/タブレット向けで充電サイクルが数日あるものまで及んでいます。

激増するデバイスや性能要件に対応するため、最新の5Gに関する研究では、主要なネットワーク属性が必要になることを前提としています:有線ネットワークと無線ネットワークの統合も視野に入れています。この場合、無線部分は高密度な小規模セルから構成され、高次の空間多重化(MIMO)によって容量が拡大し、10 GB/s程度のデータ・レートと1 msの往復遅延を実現できるようになります。現在、ほとんどの研究では、マイクロ波またはミリ波の周波数で動作する複数のエア・インタフェースを想定しています。統合されたネットワークは、これらの属性を用いて、簡単なM2M(マシン・ツー・マシン)デバイスから没入型バーチャル・リアリティまですべてに対応できるようになり、事実上数十億個のセンサと複数のストリーミング・サービスを同時にモニタ/制御して、「Internet of Things(モノのインターネット)」の膨大なデータの収集/配信のニーズに対応できるようになります。莫大なインフラ・コストを伴うため、個々のプロバイダが単独で投資をまかなうことは難しく、リソースを共有し、合同で管理する傾向が強まるものと予想されています。

公式の5G標準化プロセスは2015~2016年の間に着手予定で、ITU-R WRC-15で開始される予定です。国際電気通信連合(ITU)は3~4年ごとに世界無線通信会議と呼ばれる国際会議を開催して、モバイル・ネットワーク向けの規格を含む国際的な無線周波数の問題を仕分けします。次回のWRCは2015年にGenevaにて開催予定で、5G規格が、各国の代表者の間で議論されるトピックスの1つになると思われます。

5Gの関係者

Wireless@MIT

Hari Balakrishnan氏とDina Katabi氏の共同監督

MIT Center for Wireless Networks and Mobile Computingとしても正式に知られているこの新しい組織には、12名を超えるMITの教授とその研究グループが集って、次世代の無線ネットワークやモバイル・コンピューティングに取り組んでいます。

センタで行われている研究は、テクノロジーの利用者に影響を及ぼすことを目的としています。Wireless@MITは、Microsoft、Cisco、Intel、Telefonica、Amazon、STMicroelectronics、MediaTekの各社との「業界提携」を推し進め、規格や製品に影響を及ぼすことを目指しています。

Wireless@MITにおける研究は現在、4つの分野、スペクトラムと接続、モバイル・アプリケーション、セキュリティとプライバシー、ローパワー・システムに重点がおかれています。

最新(2013年10月):彼らの作業が評価され、Katabi教授が2つのアワードを受賞しました。 教授は、2013年にMacArthur Fellowの称号を授与され、ネットワーク輻輳の制御と帯域幅の割り当ての理論/実用に対する貢献でACM Grace Murray Hopper Awardも受賞しました。

欧州連合

EUは、欧州デジタル・アジェンダのもと、既に8本のプロジェクトを立ち上げ、次世代の「有線(光)」と「無線」通信を主導できる科学技術オプションの調査を開始しており、2020年までに5Gテクノロジーを配備するための研究に、合計5,000万ユーロを超える投資を行っています。未来のネットワークに対する2007年~2013年のEUの投資総額は6億ユーロを上回り、その半分は、4G以降の開発を促進する無線テクノロジーに割り当てられました。

この次世代通信システムは、「有線」と「無線」通信で同じインフラストラクチャを使用する真の一点集中型ネットワークの最初の事例になることを期待されています。この未来のユビキタスともいえる超広帯域の通信インフラストラクチャが、未来のネットワーク社会を先導することになるでしょう。

これを主導するためのEU基金には、第7次研究開発枠組計画(FP7)の助成金も付与されています。

METIS – Mobile and Wireless Communications Enablers for the Twenty-twenty (2020) Information Society  

METISは、EUが出資し、Ericsson社が主導する29の団体によって構成されるコンソーシアムで、欧州委員会から2,700万ユーロ以上の予算が下りています。GSMとそれに続くテクノロジーにより、欧州が世界的成功を刷新していくことを目指しています。「必要な効率、汎用性、スケーラビリティを実現するシステムの概念を構築し、システムをサポートする重要な技術要素を調査し、主要な機能を評価/証明する」ことを目的にしています。大学とモバイル・ネットワーク・プロバイダが参加者の大半を占め、アルカテル・ルーセント、BMW、ファーウェイ、ノキア、ノキア・ソリューションズ&ネットワークス(NSN)などの業界パートナーも参加しています。METISは、既知の課題(超高速データ・レート、ユーザの過密化、低遅延、低エネルギー、低コスト、膨大な数のデバイスなど)に、今日および将来のユーザの要求を見込んで予測される問題を反映して、次の5Gシナリオのアウトラインを作成しました。これは、将来の作業向けにガイダンスとして提供される予定です。

  • 「卓越した速度」、未来のモバイル・ブロードバンド・ユーザ向けの高速データ・レート
  • 「混雑時の優れたサービス」、非常に混雑した地域/条件にも対応できるモバイル・ブロードバンド・アクセス 
  • 「ユビキタスな嗜好の通信」、さまざまに要求が変化する膨大な数のデバイスの効率的なハンドリング
  • 「最高の体験の提供」、モバイル・エンド・ユーザに対するハイレベルなユーザ体験の配信
  • 「超リアルタイムかつ信頼性の高い接続」、遅延と信頼性に対する要求が厳格な新しいアプリケーションとユースケース

METISは、上記のシナリオを元に一連の困難な要件を導出しました。次はそれらをまとめたものです。

  • 混雑した都市環境で1~10 Gbps(代表値)のユーザ・データ・レートを実現するために、ユーザ・データ・レートを10~100倍にする
  • エリア(ユーザ)あたりの容量を100 Gbps/km2(1ユーザ、1か月あたり 500 Gバイト)より増やすために、エリア(ユーザ)あたりのモバイル・データ量を1000倍にする
  • 接続デバイス数を10~100倍にする
  • センサやページャといった機器のバッテリ寿命を10年に延長するために、大容量通信用の低パワー機器のバッテリ寿命を10倍にする
  • エンド・ツー・エンドの遅延を5 ms未満にして信頼性を上げるために、超高速に応答できるアプリケーションを開発する(例:タッチ・インターネット)
  • 主要な課題として、今日のセルラ・システムと同様に、エリアあたりのコストとエネルギー不足に対する従来からの要求を満たす
     

METISは、第7次研究開発枠組計画(FP7)のもとの統合プロジェクトとして、欧州委員会から共同出資を受けており、30か月間にわたり運営される予定です。

ドレスデン工科大学(ドイツ)

Gerhard P. Fettweis(Vodafone Chair教授)
MWJ 記事へのリンク – A 5G Wireless Communications Vision 

ドレスデン工科大学(TU-Dresden)は、無線通信技術の最先端の研究を行うために設立され、Vodafone Chair Mobile Communications Systemsと共同で、他に先駆けて3Gシステムの研究を手掛けました。TU-Dresdenの次世代システムに関する構想はユーザ中心で、将来の使用モデル(「Internet of Things(モノのインターネット)」)を認知するためのシステム属性を必要としています。TU-Dresdenの5Gに対するビジョンは新しい統合エア・インタフェースを提供することで、10 Gbps、1 msの遅延、バッテリ寿命が10年の簡易センサを実現できる、携帯電話/短距離/センサ技術の構築を目指しています

英国サリー大学通信システム研究センター(CCSR)

Rahim Tafazolli教授

プロジェクトは2013年に開始予定で、約3,500万ポンド(5,600万米ドル)の費用がかかるものと予想され、約1,160万ポンドは英国政府、残りの2,400万ポンドはサムスン、ファーウェイ、欧州富士通研究所、欧州テレフォニカ、AIRCOM Internationalなどのテクノロジー企業団体から提供される見込みです。英国政府に対して、このプログラムの拡張の要望も提出されています。

「私たちは、プロセッサ、プロトコル、アルゴリズム、手法を模索しています。ハードウェア実装を最適化するつもりはありません。ハードウェア実装の最適化は業界が行うことです。私たちは、ノウハウを築き上げて来ました」 – Tafazolli教授の発言。

重点を置いているのは、「ユーザから容量が無限に見える十分なレートを提供すること」で、以下を検討しています:

  • 遅延
  • エネルギー効率
  • スケーラビリティ
  • 信頼性と堅牢性
  • ネットワーク-デバイス間の制御の分散
  • 免許必要バンドと免許不要バンドの統一(放送も含む)
  • セル・テクノロジーの過密化
  • 新しい周波数バンドの調査と理解

新しいネットワークには、優れたスペクトラム効率とエネルギー効率が求められます。さらに、速度も向上し、セル速度は10 Gbpsまで向上するとされています。

CCSRRは、業界によりUK Virtual Centre of Excellence in Mobile and Personal Communicationsの主要なメンバに選抜され、英国で長い実績もあります。CCSRは、多くの第7次枠組計画のIST分野にも深く関わっています。

以下は、過去から現在にわたるCCSRの実績と研究活動の分野です:

  • エア・インタフェース
  • コグニティブ・ネットワークと未来のインターネット
  • コグニティブ無線
  • 無線アクセス・システムの最適化
  • セキュリティ
  • 知識データ工学

 

ニューヨーク大学科学技術専門学校(NYU-Poly)

Theodore(Ted)Rappaport教授

Rappaport教授はNYU-Polyを拠点にして、2本のプロジェクト、NYU WirelessとWICATを指導しています。

NYU-WIRELESS

ニューヨーク大学科学技術専門学校(NYU-Poly)の研究者たちは、5Gセルラ・ネットワークの構築に向けて今日の第4世代(4G)の無線テクノロジーを進歩させるために、政府と財界が支援するコンソーシアムを召集しました。米国国立科学財団(NSF)による80万ドルのAccelerating Innovation Research(AIR)助成金の他、企業後援者とNYSTAR(Empire State Development Division of Science, Technology & Innovation)から120万ドルを付与されており、特に、NYSTARは、NYU-PolyのCATT(Advanced Technology in Telecommunications)と長期にわたって提携し、プロジェクトをサポートしています。 彼らは、研究に参加している約100名の学生をサポートするために、数年にわたる投資コミットメントを得られる業界スポンサーも募集しています。

5Gプロジェクトでは、より高性能ではるかに安価な無線インフラを開発する予定です。これは、アンテナを小型化/軽量化し、指向性ビームフォーミング技術により、混雑していないミリ波スペクトラムを使用して建造物による信号の反射を軽減するものです。また、スペクトラムを奪い合うのではなくて共有できるように、デバイスを用いた小型かつ高性能なセルの開発も促進しています。

WIRELESS INTERNET CENTER for ADVANCED TECHNOLOGY (WICAT)

WICATは複数の大学から構成されている研究開発センタで、産学共同研究センタ(I/UCRC)のプログラムの一環として米国国立科学財団(NSF)から助成金を受けています。ニューヨーク大学科学技術専門学校(NYU-Poly)がWICATの筆頭機関で、Rappaport教授が指導しています。WICATセンタは、バージニア工科大学、オースティンのテキサス大学、オーバーン大学、バージニア大学にも所在しています。

ニューヨーク大学科学技術専門学校のWICATが研究を推進している分野は、ネットワーク容量と端末バッテリ寿命の向上、ネットワーク・セキュリティの向上、無線ネットワークで効率的に実行できるアプリケーションの構築です。 バージニア工科大学における研究では、ソフトウェア定義無線と軍事アプリケーションに力を入れています。オーバーン大学は回路デザインとオートメーションに注力しており、テキサス大学はアドホックとセンサ・ネットワークを扱っています。また、バージニア大学はビデオ認識、大規模データの問題、無線ネットワークの高速再構築を研究しています。

中国

中国の中華人民共和国工業情報化部は、"IMT-2020 (5G) Promotion Group"と呼ばれる分科会を、2012年2月に5Gの研究向けに設立しました。中国は、このプログラムに台湾の参加を求めています。

東京工業大学とドコモ

最近、東京工業大学とNTTドコモは、共同で実施した屋外実験で約10 Gbpsのパケット伝送アップリンク・レートを達成しました。実験では、約9 km/sの速度で移動機を動かし、そこから400 MHz帯域幅の11 GHzスペクトラムを送信しました。マルチ入力マルチ出力(MIMO)テクノロジーにより、8本の送信アンテナと16本の受信アンテナを同じ周波数で使用して、異なるデータ・ストリームを空間多重化しました。

Qualcomm社の1000倍のデータ問題に関するプレゼンテーション

Qualcomm社の「1000倍のデータ問題」に関するプレゼンテーションでは、今日の4G規格の3倍の進化について説明しています。3GPP仕様リリース12以降のインターネットワーキング、ヘテロジーニアス・ネットワーク、自律型ネットワーク、着実に小型化するセル・サイズに関する研究項目を提案しています。プレゼンテーションの資料および説明については、www.qualcomm.com/1000x  をご覧ください。

サムスン

サムスン電子は、最近、無線ネットワーク・テクノロジーの壁を突破したと発表し、これを"5G"と称しています。サムスン電子の発表によれば、「研究者が、移動体通信向けのミリ波Kaバンドで動作する世界初のアダプティブ・アレイ・トランシーバ技術の開発に成功した。」ということです。

テストで使用されたのは超高周波数28 GHzの伝送で、4Gネットワークで使用されている周波数よりも、はるかに広い帯域幅を実現できます。高い周波数ではより大量のデータを伝送できますが、一般に建造物による妨害を受けやすく、距離が遠くなるほど指向性が劣化します。

ミリ波バンドでは従来の無線スペクトラムよりもより高い周波数を使用する必要がありますが、サムスンは、アダプティブ・アレイ・トランシーバ技術が、ミリ波の短所である伝搬特性を解決する実現可能なソリューションになりうるとしています。同社は、「ミリ波バンドのアダプティブ・アレイ・トランシーバを含む、5G無線通信技術の研究開発を加速するプランを策定する。」と語っています。

インテルと大学の協調

インテル社は、次世代無線ネットワーク技術を探求するために、先端的な大学と共同研究を行うための組織を立ち上げました。手始めとして、インテルは、スタンフォード大学、インド工科大学、デリー大学、ポンペウ・ファブラ大学など10以上の大学の無線研究をサポートするために300万ドル以上の助成金を付与しました。この研究では、コンテキスト・アウェアネスによるサービス品質の向上、無線デバイスのパワーの効率化、使用できる新しい無線スペクトラムの開拓に重点を置いています。

ファーウェイ

ファーウェイは、オタワから8,000万ドルの助成金を受ける5年の契約に署名し、新しい5G研究開発センタに150人を超える新たな人材を雇用しました。これは、ファーウェイが世界中への設置をコミットした10の"global centers of technical and financial excellence"のうちの1つです。

ブロードコム

ブロードコムは、"5G WiFi"の市場に対して、802.11acと互換性のある無線LANチップを発売しました。デバイスでこれを使用すれば、1 Gbpsを超えるデータ・レートを実現でき、現存の802.11a/b/g/n製品の距離を超えて使用できます。多くの新しい無線ルータ、PC、タブレット、スマートフォンに組み込むことができます。

その他の記事

“5G mobile phone concept”
著者: Janevski, T . スコピエ聖キリル・メトディウス大学、電気工学・情報技術学部
参照: Consumer Communications and Networking Conference, 2009. CCNC 2009. 6th IEEE 

“Evolution of Networks (2G-5G)” 
Jay R. Churi, T. Sudhish Surendran, Ajay Tigdi, Shreyas, Sanket Yewale 
インド ムンバイ大学、Padmabhushan Vasantdada Patil Pratishthan’s College of Engineering、コンピュータ・サイエンス学科

International Journal of Computer Applications® (IJCA) 8が出版したInternational Conference on Advances in Communication and Computing Technologies(ICACACT)2012議事録に掲載

Keysight Technologies

Keysight Technologiesの測定およびアプリケーションの専門家は、業界の専門家と協調して、ますます複雑になる5Gを先取りし、業界がこれらの新しい技術を促進できるように貢献しています。

Keysightは、この研究の理解を深められる幅広いシミュレーションおよび測定ツールを提供しています。ベクトル・ネットワーク・アナライザで徹底的なデザインが可能になり、ビーム・ステアリングやMIMO向けのアンテナ・アレイ素子などのミリ波コンポーネントをテストできます。SystemVueはシステム・レベルのデザイン・オートメーション環境で、これにより高度なデジタル信号処理がRFに適合し、物理層における通信システムのデザイン/検証が加速します。これをKeysightの測定器と組み合わせれば、次世代通信システムのモデリング/実装/検証向けに拡張性の高い環境を構築できます。仮想システムによりプロジェクト初日からの検証が可能になり、モデルのシミュレーションから開始して、デザインから動作ハードウェアに移行するにしたがって徐々に測定を増やしていけます。Keysightの信号発生器を併用すれば、IQ任意波形を作成して実際に理論的なチャネル・モデルをテストできます。SystemVueは、さまざまな信号の復調/ベクトル解析向けの信号解析製品で動作するKeysight89600 VSAソフトウェアと組み合わせても使用できます。これらの測定、シミュレーション、信号発生、解析ツールを総合的に使用すれば、次世代通信システムに必要な高度なデザインを構成するコンポーネントや信号のあらゆる面を仮想的に調査できます。

4Gおよび5G用の最新のソリューションについては、KeysightのWebサイトKeysight.com/find/lte  およびKeysight.com/find/lte-advanced  をご覧ください。