Highlights

ADSは、RF、マイクロ波、シグナル・インテグリティー・アプリケーション向けの業界最高のエレクトロニック・デザイン・オートメーション・ソフトウェアです。ADS 2016では、シグナルインテグリティー(SI)、パワーインテグリティー(PI)、RF PCB、積層、モジュール、シリコンRFICテクノロジーが飛躍的に進歩しています。ADS 2016に加えて、ADS 2016 Update 1でも、SIPro/PIPro機能セット向けの重要な新しいテクノロジーが導入されています。

注記: ADS 2016 Update 1をインストールする前に、ADS 2016.01をインストールする必要があります。

ADS 2016 Update 1には、以下の機能強化が含まれています。

  • メッシュドメインの最適化(MDO):SIPro/PIPro用の新しい革新的なメッシングテクノロジーでは、デザインのクッキーカット(シミュレーション時間の短縮とメモリ要件の低減)が可能で、電磁界シミュレーション前にPCBレイアウトを繰り返し手作業でクッキーカットする必要がないので、ミスが起こり難くなります。MDOは、確度を低下させることなく、問題の規模をインテリジェントに縮小して解決します。MDOを使用すれば、PCBレイアウト全体での作業が可能で、同じボード上の異なるバスのシミュレーションを待ち行列に入れることができます。セットアップに要する工数を減らして、同じ時間でより多くのデジタルチャネルを解析できるようになりました。
  • ADSチャネルシミュレータ - パルス応答:IBIS-AMIチャネルシミュレーションでは、チャネル、Tx+チャネル、Tx+チャネル+Rxのパルス応答(シングルビット応答)を出力できるようになりました。このため、チャネル内の符号間干渉を理解し、応答に影響を与えるEQ設定を解析/最適化することができます。
  • コンポーネント値の自動割り当て: PIProのコンポーネントは、コンポーネント名から導出された値を自動的に割り当てます。
  • リモートビジュアリゼーション性能: SIPro/PIProでは、新しいパフォーマンス・レンダリング・モードを使用することにより、リモート接続でツールにアクセスする際のフレームレートを最大限に高めることができます。

ADS 2016をご使用の場合は、ADS 2016 Update 1 を今すぐダウンロードしてインストールしてください。 

ADS 2016には、以下の新製品と機能強化が含まれています。

  • SIPro: 非常に複雑なPCBアプリケーションのシグナルインテグリティー(SI)を正確に解析する電磁界シミュレータ
  • PIPro: 電源分配回路(PDN)のパワーインテグリティー(PI)を解析する電磁界シミュレータ
  • Cadence Allegroの.BRDファイルから、直接レイアウトをインポート可能
  • IBIS-AMIチャネルシミュレーションでパルス振幅変調(PAM4)信号をサポート
  • DDRバスシミュレータにより、DDR4用のレシーバーイコライゼーションをサポート
  • チャネルシミュレータで、IBIS-AMIモデルとIBISモデル、SPICEモデル、内蔵Tx/Rxモデルを組み合わせて使用可能。
  • 新しいSパラメータチェッカー/ビュワー
  • Harmonic Balance/Circuit Envelopeシミュレーションの機能強化: 速度/収束性/確度の向上とスケマティックのアノテーションの強化により、非常に複雑なデザインのプロセスを高速化
  • Electro-Thermalシミュレーション: 多くのデザイナーがアクセスしやすいWindowsに対応
  • Momentum電磁界シミュレーション:
    - 電磁界シミュレーション用のサブストレートがパラメータ化されているので、プロセスばらつきをモデリング可能
    - TSMC iRCXのインポートをサポート
    - ビアの簡素化、ダミー・メタル・フィルのシミュレーション
  • レイアウト: ユーザビリティーの大幅な向上により、特に、RF PCB/ラミネートとシリコン・ダミー・メタル・フィル・ユーティリティーに対して、効率的かつ直観的なADSレイアウトを用いてデザイン/編集/診断が可能
  • シリコンRFICの相互運用:
    - DCアノテーションの機能強化
    - 構成表示
    - Verilog-Aのサポート
    - スケマティックPcell/スケマティック領域ピンの機能強化
    - ワイヤー編集およびスケマティック層表示の機能強化
    - iPDK PyCellのサポート
  • ワイヤレスライブラリ: 新しいW2383EP/ET 5Gアドバンスドモデム、W2385EP/ET 無線ネットワーキング(BTLE 4.0)のアップデート
  • 今までで最高の品質水準を実現:お客様から提示された数百件の問題を解決。(過去のADSリリースの中で最多)

Description

Advanced Design SystemAdvanced Design System (ADS) 2016は大きく前進し、新しい機能とテクノロジーが追加されただけでなく従来の機能も強化されています。デザインフローの統合によりデザインの生産性と効率が向上し、長期的なビジョンを現実化できます。

シグナルインテグリティー解析用のSIPRO、パワーインテグリティー解析用のPIPRO

ADS 2016は、シグナルインテグリティー(SI)/パワーインテグリティー(PI)のワークフローを、高速デジタルデザイン向けに再定義しました。 ADS内の新しいワークフローに、2つの新機能、ADS 2016用SIPro/PIProが追加されます。 SIPro/PIProは1つの環境を共有し、一般的な電磁界ソルバーよりも非常に高速に、高確度の電磁界シミュレーション結果を提供します。 新しいシームレスに統合されたワークフローを使用して、共通のデザインでSI解析とPI解析の両方を実行できます。 電磁界セットアップは「ネットドリブン」なので、配線が密集した大型の基板上をすばやく移動して、シミュレートしたいネット(特定の信号ネット、パワーネット、グランドネットなど)のみを含めることができます。手動のレイアウト編集に時間を浪費することもなく、シミュレーション前に不要なレイアウト細部を削除する必要もありません。 新しい専用ユーザーインタフェースからは、基板デザインの3次元表示、異なる解析間での電磁界セットアップのコピー、シミュレーションの実行、結果の表示、スケマティックの自動作成が可能で、これを使用して、さらに、回路シミュレーションやパラメータ調整を行うことができます。

SIProは革新的なコンポジット電磁界テクノロジーを採用して、速度と確度の両立を実現しています。 このテクノロジーは純然たる電磁界ソリューションで、ビア間の結合、ビア-トレース間の配線、不完全なグランド戻り経路による損失など、あらゆる主要な電磁界効果を考慮しています。 20 GHz以下のシミュレーション結果は業界標準の3次元有限要素法(FEM)に迫り、しかも、シミュレーションにかかる時間はFEMの数分の1です。

PIProは、プリント回路基板(PCB)の電源供給回路(PDN)を解析する3つの専用電磁界ソルバーセットです。 以下の解析機能を備えています。

  • DC IRドロップ解析
  • AC PDNインピーダンス解析
  • 電源プレーン共振解析

シミュレーションが完了したら、デカップリングキャパシタ、インダクター、抵抗のモデルを変更できます。シミュレーション結果は自動的に更新されるので、電磁界シミュレーションを再実行する必要はありません。 PDN用のスケマティック・テスト・ベンチが自動的に作成されるので、コンポーネントのチューニングと、電圧レギュレーターモジュール(VRM)の詳細なビヘイビアモデルの作成が可能になります。

HARMONIC BALANCE/CIRCUIT ENVELOPEシミュレーションの機能強化

ADS 2016の回路シミュレーションテクノロジーは、Harmonic Balance/Circuit Envelopeシミュレータの機能拡張によって速度/収束性/確度の向上を実現することで、進化を続けています。 さらに、非常に複雑なデザインにも対応できるように、DCアノテ-ション速度も高速化されています。

WINDOWS対応ELECTRO-THERMALシミュレーション

Electro-Thermalシミュレータが、Linuxと同様にWindowsにも完全に対応し、より多くのデザイナーにとって使いやすくなりました。

MOMENTUM電磁界シミュレーション

Momentum 3次元プレーナー電磁界シミュレータで、電磁界シミュレーション用のサブストレートがパラメータ化されたので、プロセスばらつきをモデリングできるようになりました。 TSMC iRCXのインポートのサポート、ビアの簡素化、ダミー・メタル・フィルのシミュレーションも、このリリースに含まれています。

レイアウトおよびレイアウト検証

多くの機能拡張と新機能により、ADSレイアウトは、さらに高速かつ直観的になり、製造の堅牢性が向上します。 新しい追加機能の中には、製造グリッドの強制、グランドネットの機能強化、3次元ビュワーの高速化、ハイライトの機能強化、相互接続、レイアウトネット名とスケマティックネット名のマッピング、電磁界シミュレーションへの.brdファイルのインポートなどが含まれます。

シリコンRFIC

ADS 2016は、RFICシリコンデザインのフロントエンドフローに対して多くの機能強化を施しています。 ADS 2016ではOpenAccessの互換性のビルドアウトを介して、ADSでVirtuosoを使用してシリコンRFICのスケマティックデザインを実行できます。DCアノテ-ション、機能/ユーザビリティーが強化されたスケマティックを利用でき、シミュレーション表示を切り替えられる構成表示もサポートされています。 相互運用中は、異なるEDAプラットフォームの同期を維持している1つのOpenAccessデザインライブラリで作業が完結するので、デザインブロックのポーティング/変換などの余分な手順がなくなります。 これにより、ADSが、シリコンRFICのスケマティック・フロント・デザイン用ツールとして有力な選択肢になります。さらに、ADSの業界最先端の3次元電磁界ツール(MoM、FEM、FDTD)を使用して、Spice回路モデルと相互接続シミュレーションの間を区分する回路RFブロックのチップレベル、または、シリコンチップからパッケージ/ラミネートまでのモジュール・チップ・レベルでの、真のコシミュレーションが可能になります。 コシミュレーション処理によって、シミュレーション忠実度の新境地が開かれ、物理レイアウト効果およびプロセスばらつき効果が存在するときのRF回路性能を正確に予測でき、1回でシリコン作成に成功できます。 ADS 2016を使用すれば、RFコアまたはRFチップの全体をデザイン/最適化し、RFアウェアマナーでダミー・メタル・フィルを階層的に追加できます。さらに、Momentumシミュレーションでダミー・メタル・フィル効果やプロセスばらつき効果をテープアウト前に検証できます。

電磁界シミュレーションに必要なレイアウト表示は、VirtuosoがExpressPcell機能によって作成します。 ADS 2016は、Virtuosoとの相互運用だけでなく、IPL Allianceが推奨する相互運用可能なiPDKもサポートしています。 デザイナーは、ADSとVirtuosoの相互運用またはIPL Alliance iPDKを介してデザインフローを使用することで、OpenAccessの互換性のビルドアウトを活用できます。

ADS 2016シリコンRFICは以下をサポートします。

  • 着実に増加する相互運用可能なPDKに対応。 現在、20個以上のさまざまなファウンドリのPDKに対応。
  • ADS/VirtuosoとIPL Alliance iPDKの相互運用が可能。
  • Virtuosoとスケマティックの相互運用が可能(DCアノテ-ション、構成表示、スケマティックPcell、VerilogAなど)。
  • 新しいMomentum RFICにより、RFコア全体の効率的なシミュレーションが可能。
    • 手際よくマージできるビア配列
    • ダミー・メタル・フィルの高速シミュレーション
    • サブストレートのパラメータ化により、プロセスばらつき効果および感度の影響を調査可能
    • Spiceモデルと相互接続電磁界シミュレーションの間を区分する回路
    • Virtuoso CDF PCELL用のExpressPcellまたはIPL iPDK用のSynopsys PyCellを介してOAアクセスレイアウトを読み込み可能
    • iRCXベースのTSMCテクノロジーファイルから「オンザフライ」でサブストレートファイルを作成可能
  • ダミー・メタル・フィル・ユーティリティー
    • RFアウェアマナーで、RFチップ全体にダミー・メタル・フィルを階層的に作成し、デザインのサインオフ用に、ADSまたはその他のOA EDAプラットフォーム内部で使用可能

ワイヤレスライブラリ

ADS用の新しいW2383EP/ET 5Gアドバンスドモデムによって、最新の5G無線規格用のデザインおよび検証が行えます。 このワイヤレスライブラリには、無線規格に完全に準拠する設定済みの信号源と復調機能を備えた、定義済みのシミュレーションセットアップが含まれています。 信号の作成/復調アルゴリズムは、キーサイトの測定システムとまったく同じなので、測定器レベルでの規格に準拠した正確な回路シミュレーション/検証が可能です。 キーサイトの5Gワイヤレスライブラリは、キーサイト・テクノロジーの規格制定委員会への積極的な関与により、常に最新の規格と同時に登場する業界初のライブラリで、測定システムをタイムリーに設計/開発するために不可欠です。
W2385EP/ET 無線検証テストベンチは、アップデートにより、無線ネットワーキング(BTLE 4.0)に対応しました。

ADS 2016の新しい追加機能

  • IBIS-AMIベースのPAM-4リンクシミュレーション
  • チャネルシミュレーションでのAMI Tx/Rxと非AMI Rx/Txの組み合わせ
  • AMIモデルの依存解析
  • AMIオンダイSパラメータモデルに対する機能拡張
  • PRBS信号源の機能拡張
  • 新しいSnPコンポーネント
  • Sパラメータビュワー
  • 新しいTermGコンポーネント
  • フロントパネルSP-TDR
  • IBISパッケージモデリング
  • パワー・アウェア・モデルのIBISのオーバークロック
  • 拡張可能なIBIS 6.0パーサー
     

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